葛井寺と楠木正成、伝説の三葉松とは?

藤井寺街ブラ

2021年02月10日 10:18

旗掛けの松




葛井寺の本堂の前、境内のやや目立つ位置に、静かに佇む松の木。
この松の木は、「旗掛けの松」と呼ばれています。

この旗掛けの松の周囲では、たまに地面に落ちた松の葉を凝視している参拝者を見かけます。
彼らはなぜ松の葉を見ているのでしょうか?

そこには、この旗掛けの松にまつわる伝説があるのです。

楠木正成と3人の息子たち


楠木正成という名前、歴史に詳しくない方も一度は聞いたことがあると思います。
鎌倉時代末期、後醍醐天皇の側につき、幕府相手に数々の戦場で戦い抜いた武将です。

楠木正成にまつわる次のような伝説があります。
楠木正成がここ葛井寺で戦勝祈願をおこなった際、菊水の旗をこの松の木に掛け、そこに正行、正時、正儀の3人の息子を呼び出して戦略を練りました。
そして葉が3つに分かれた松の葉「三葉松」を息子たちに見せます。
強固な葉を持ち、根本でしっかりつながっている三葉松。
正成はこの葉を息子たちにたとえ、3人で力を合わせることを誓わせました。

そして挑んだ細川顕氏との戦い。
正成の息子たちは共に力を合わせ、10倍近い兵力差を覆して大勝します。
作戦だけではここまで上手くいきません。
息子たちの団結があったからこそ、勝つことができたのです。

この戦い以来、この松の木は「旗掛けの松」と呼ばれ、楠木正成の縁の場所として珍重されています。

三葉松にまつわる伝説


楠木正成が息子たちに、一致団結の強さを説いた三葉松。
実は滅多にお目にかかれるものではございません。
さながら四つ葉のクローバーの松バージョンとでもいいましょうか。

もしこの松の木の下で三葉松を見つけることができれば、どんな困難にも打ち勝つ不思議な力が授かる と言われています。
参拝者が地面の松の葉を観察するのは、これが理由ですね。

私もこの記事のために探したのですが、見つけることはできませんでした・・・。
葛井寺に立ち寄った際は、探してみてはいかがでしょうか。

以上、葛井寺に伝わる旗掛けの松を紹介しました。
この松の木以外にも、見どころの多い葛井寺。是非ともお立ち寄りください。

葛井寺


〒583-0024
大阪府藤井寺市藤井寺1丁目16-21

ホームページ:https://www.fujiidera-temple.or.jp/



筆者:冬愛

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